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ドイツでは2020年、肉の消費量が減少したらしいよ。

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ドイツの国営放送局「ドイチェ・ヴェレ(DW)」によると、ドイツでは2020年、肉の消費量が減少し、その代わり、ヴィーガン製品の需要が拡大したという。

ドイツといえばドイツビール。ドイツビールといえばオクトーバーフェスト。オクトーバーフェストといえば、丸々としたソーセージ。が、ステレオタイプのように連想されるが、今、ドイツでは2020年の新型コロナウイルスのパンデミック、そして特に若年層のエシカル消費への意識の高まりを受けて、ヴィーガン商品がその売り上げを伸ばしている、と同局は報告している(1)

ドイツの連邦統計局(Desatis)は2021年5月、2020年度のドイツ国内における肉製品の消費総額は386億ユーロ(468億ドル)で、これは、過去10年間の最高消費額から4%減少していると発表した。逆に、ドイツ国内の肉代替品産業は一種の「ブームを迎えて」おり、2020年度は、前年よりもほぼ39%多くの代替肉(約8万3700トン、3億7490万ユーロ)が生産されたいう。これは、ほぼ1万2000頭のアフリカゾウの重量に相当するというが、なぜアフリカゾウと比較したのかはまるっきり不明だ(笑)。

また、肉代替製品の統計は世界的に遅れており、DWによると、ドイツでも統計を取り始めたのは2019年になってから。とはいえ、報告内に登場する統計学者は、肉の生産および消費量の減少は、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響が大きい、と指摘している。つまり、ドイツ国内における一部の食肉生産工場が、新型コロナウイルスの発生や従業員の衛生規則違反によって、2020年の一定期間、閉鎖を余儀なくされたこと、特に、ドイツ西部のノルトラインヴェストファーレン州にある食肉加工工場で発生した新型コロナウイルスの感染爆発が、国内でも大きなニュースになったことが、人々の消費行動に影響したのではないかとみている。

で、日本は?→リンク:【2021年最新】日本で食用に殺される家畜数まとめ(豚・牛編)

学者らは一方で、ドイツ国内での肉の消費量は、今後長期的に減少するという傾向があると指摘している。いわく、1987年には、1世帯が1か月に平均6.7キログラムの肉を消費していたのに対し、2020年までには約3分の1の2.3キログラムに減少しているという。

実はドイツは、欧州の中でもヴィーガンへ移行する人々の割合が高い。2020年に、ドイツのヴィーガン食料品店「Veganz」が2600人を対象にアンケートを行なったところ、ドイツでは、過去4年間でヴィーガン人口が2倍(約260万人)に増えていることがわかったという(2)。ベジタリアン人口も含めると、約360万人にのぼる。

Veganzによると、この傾向は小売り業者に対して少なからぬ影響を及ぼしており、肉代替品を取り扱うスーパーが増えてきているという。

千里の道も一歩から。人々の小さな意識変革が着実に一国のスーパーの彩りを変えている。勇気を与えられるグッドニュースだ。

参考:

“Germany produced less meat, more vegan alternatives in 2020” Deutsche Welle, 14th May.2021
“Number Of Vegans In Germany Doubles In 4 Years, Says Study” Plant based News,11th November 2020