ヴィーガン&サステイナブルなスニーカー5選

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私たちがあゆむ一歩はいつだって、これまでの人生最後の一歩で、未来への第一歩目だ。だからこそ、そこにいのちの犠牲があってほしくない。
ゆたかさをあてにしがちな日常で、ゆたかさがあることを当たり前にせずに立ち止まる一瞬は、好きなものを手に入れるときであってほしい。
ヴィーガンかつフェアトレード、持続可能性に特化したスニーカーを紹介します。

1. SAYE__革新的なトウモロコシレザー

特徴 | Vegan, organic, recycle, sustainable
Based In | スペイン
、ポルトガル
Pick up | M89 Vegan Colores

M89 Vegan Colores シリーズ。パステルカラーの7色展開。(SAYE HPより)

スペイン発祥、ポルトガルに生産工場をもつ「SAYE」は、生産過程のすみずみまでサステイナブル、かつフェアトレードが重視されている。これまで、使用済みプラスチックから作ったヴィーガンレザーや、廃棄されるマンゴーをベースにしたヴィーガンマンゴーレザーなど、新しくてユニークな「エコファースト」なシューズを生み出してきた同社。「M89 Vegan colores」シリーズは、トウモロコシをベースにしたヴィーガンレザーを使用。これは、食用ではなく、遺伝子組み換え(GMO)でもないトウモロコシと、植物ベースのポリウレタンを原料としたもの。生分解性で、使用後は地球に還ることができるそう。足を包みこむ内側の素材には、成長がはやく、育成が容易な竹を100パーセント使用し、アウトソール(底)はリサイクル製品、くつひもにはオーガニックコットンが採用されている。

さらにSAYEは、1足の購入ごとに、インドまたはザンビアの森林に2本の木を植樹する活動を行っている。これは、進行する森林破壊から森を守るためでもあり、地域の環境を改善させることで新たな雇用や就労を支え、地域のネットワークを構築することにも繋がっているという。これまでにインドでは約3万3000本、ザンビアでは約11万3000本が植えられた。買うことで環境保全にも参加できるスニーカーだ。

2. VEJA__カラフルな「V」の主張

特徴 | Vegan, organic, recycle, sustainable
Based In | フランス
Pick up |
Vegan

VEGANシリーズ。(VEJA HPより)

「スニーカーのつくり方は変えられる」をブランドコンセプトに据える「VEJA」は、素材の調達から生産・販売まで持続可能なものづくりを目指す。フェアトレードを基本とし、キャンバス地にはブラジルの生産者から仕入れるオーガニックコットンを使用。アウトソールには、ブラジルやペルーなどアマゾンの熱帯雨林で採れたラバー、足の甲を覆うアッパー部分は、ペットボトルをリサイクルした繊維から作られている。目をひくサイドにあしらわれたカラフルな「V」の字が特徴。

ちなみに、2005年に生まれたVEJAはリサイクルペットボトルから作る生地を使用した最初のバスケシューズブランドとしても有名。B-Meshと名付けられたこの生地は、ブラジルで集めたペットボトルを選別し、ポリエステル繊維に分解、それを元に新しい素材として再生産するのだという。1足のスニーカーに必要なペットボトルは平均3本。軽くて、通気性と防水性に優れていることも人気の理由のひとつになっている。

3. Nae Vegan Shoes__徹底的に、反・動物虐待。

特徴 | Vegan, organic, recycle, sustainable
Based In |
ポルトガル
Pick up | VEGAN SNEAKER

JOR RE-PET WHITE VEGAN SNEAKER (Nae HPより)

ブランド名の「Nae」は「No Animal Exploitation(NO動物虐待)」の略。その名の通り、動物性素材の利用を避けるだけでなく、動物の生態環境にも配慮した生産プロセスが徹底されている。「くつ本来の品質を落とすことなく、最良の素材でスタイリッシュに」。ヴィーガンレザーは、綿やリサイクル可能なポリエステル、ナイロンなどの混合物から作られおり、メッシュ部分はパイナップルの葉の繊維が使われている。パイナップルの葉は多くの場合実の収穫後に廃棄されるが、その繊維は耐久性にすぐれているため、くつに使用するにはぴったりだという。また、生産過程で余った繊維は、肥料として畑に再分配される。靴ひもなどに使われるコットンももちろん、農薬を使わず育てられたGMOフリーなオーガニックだ。

Naeは、スニーカーだけでなく、登山シューズやサンダル、トゥーシューズなどどれもとにかくおしゃれ。残念ながら日本で手に入る種類は多くなさそうだが、シッピングも可能なのでオンラインショップから直接購入することもできる。

4. Good Guys Don’t Wear Leather__ブランド名がすでにエシカル

特徴 | Vegan, organic, recycle, sustainable
Based In |
フランス
Pick up | VEGAN RUNNING SHOES

FELIX VEGAN RUNNING SHOES PINK(Good Guys HPより)

フランス発祥の「Good Guys Don’t Wear Leather」は、パリで活躍する女性デザイナー、Marion Hanania氏が立ち上げたエコファッションブランド。彼女は2006年にベジタリアンになったことをきっかけに、皮革製品の着用から身を引いた。そして環境にやさしい素材の研究を開始し、ヴィーガン素材の使用に同意するサプライヤーを自ら探したという。ヴィーガン素材を使うだけでなく、生産者のフェアトレード労働条件も保証しながら、パリ発のファッション性にこだわる。コンセプトは「100% vegan and 100% stylish」。そのデザイン性もあって、今やモデルのエマ・ワトソンなど世界中に愛用者を持つブランドだ。

5. Thousand Fell__プラントベースの心意気

特徴 | Vegan, organic, recycle, sustainable
Based In |
ニューヨーク、ブラジル
Pick up | Lace Up

Lace Up_Yellow (Thousand Fell HPより)

くつの無駄をなくすための最初のステップは、長く着用できるくつを作ること。サステイナブルでありながら徹底的な耐久性にこだわる「Thousand Fell」は、ニューヨークでデザインされ、ブラジルの家族経営の契約工場で製造される。あらゆる植物素材を再利用しているのがこのブランドの一番の特徴。ソールに使うゴムは、植物ベースな天然ゴムとリサイクルゴムを使用。シューズをいやな匂いや雑菌から守る抗菌剤にはアロエを、スニーカーに通気性とクッション性をプラスするためにはトウゴマのタネからとった油を。メインの素材となる繊維には、ブラジルの地元でとれたココナッツの殻や葉、食品廃棄物の中から調達されたサトウキビなどが使われている。そこに、同じくブラジルで調達された使用済みのプラスチックをリサイクルして再利用し、まさにプラントベースな1足のシューズが出来上がるのだ。

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地球にいちばん近い足もとだから、地球の声が聞こえる。それぞれの一歩がやがて、再生を続ける地球の循環に、そっと参加できるものになりますように。

編集者、デザイナー、時々翻訳。一般社団法人日本ヴィーガニズム協会代表理事。『HUG』編集長。新聞社と出版社で14年働いたのちフリーランス。
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