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【2021年最新】日本で食用に殺される家畜数まとめ(豚・牛編) | HUG

【2021年最新】日本で食用に殺される家畜数まとめ(豚・牛編)

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 日本では近年、年間約1600万頭の豚、100万頭以上の牛が食用に屠殺(以下、と畜、またはと殺)されている。加えて、日本は肉の国内自給率が牛肉35%、豚肉49%(2019年度)であることからみても、実際の国内流通量や消費量は、国内のと畜頭数よりはるかに多い
 家畜とされる動物は、日々生産され、早い一生を終え、消費される。ヴィーガニズムを思うとき、彼らを「と畜数」や「消費量」としてみることに小さな抵抗が生まれる。しかしながら、特に気候変動など世界共通の課題をあらゆる人々が共有して生きる現代では、自国の動向を知ることは、未来への選択をする際に役に立つこととも思う。国内のと畜数は農水省が「畜産物流通調査」資料で公開しているが、年代によって個別のデータであることもあるため、ここにできる限り集約していきたいと思う。また、ニワトリについては年間食鳥処理数が豚・牛に比べて桁違いに多いため(約8億羽!)、別途紹介する。

1. 年間と畜頭数の推移(豚・牛)

 

※2020年5月作成。

 農水省によると、確定値が出ている2019年のと畜頭数は豚が1631万9598頭、牛が104万3276頭。肉の生産量(*)でみると豚が127万8886トン、牛が47万434トンとなっている。
 2020年は豚が1672万4007頭、牛が104万3610頭で確定されるとみられる。
 豚は、1960年代中ごろから消費量が増大し、と畜数も1987年に2100万頭を超えてピークを迎えた。そこから少しづつ減少し、2000年以降は(10万頭単位の誤差で)横ばいを続けている。牛は、豚に比べてと畜頭数は少ないが、とはいえ毎年100万頭を下らない。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言はと畜頭数に影響した?

 2020年は新型コロナ禍の影響で4月7日から5月25日までは全国的な緊急事態宣言が発令され、その後も飲食店を中心に様々な規制措置が敷かれた。とはいえ、家畜のと殺数に減少はみられず、むしろ豚は約40万4409頭、牛は約334増となっている。
(*)生産量とは「枝肉」(家畜の頭・内臓・尾・肢端以外の肉)の生産量を指す。

2. 月間屠畜頭数(豚・牛)

 

※2020年5月作成。

 2020年1月から12月までの月間と畜頭数は、平均して豚139万3667頭、牛が8万6968頭。合計すると、月平均148万636頭が食肉用に殺されている。

3. 1日あたりの屠畜頭数(豚・牛)

 

※2020年5月作成。

 では、1日あたりでは、どれだけの豚・牛が食用にと畜されているのか。農水省は毎日、全国の食肉処理場の前営業日の合計と畜数をホームページで公表している(「と畜場統計調査(日別)」)。それによると、例えば2020年4月では、1営業日あたりのと畜数平均は、豚が6万3382頭、牛が4079頭の合計6万7461頭となっている。(※土日を含めた屠畜数の平均は以下、図「日本の屠畜頭数まとめ」参照)

4. 豚・牛の屠畜頭数まとめ

 食肉となる牛や豚は、全国に177ある屠場で屠畜・解体され、全国に出荷される。主に関東や東北からの生体、枝肉を扱う東京都中央卸売市場の場合、牛や豚は大型トラックで午前5時から7時ごろに到着。午前8時半ごろから順次屠畜作業に入るという。
 まとめると、日本の年間と畜頭数は合計約177万頭。月間では約149万頭となり、1日平均は約48万頭。1分間に換算すれば、約33頭の豚と2頭の牛が殺されている計算になる(以下、図参照)。
 ちなみに、と畜料金(施設使用料、解体料、検査料、格付料、内臓処理料合計)は、全国平均で豚が1頭あたり2158円、牛が8767円。牛の頭部の焼却費が1300円。このサイクルが、日々、繰り返されている。

 

※2020年5月作成。

編集者、デザイナー、時々翻訳。一般社団法人日本ヴィーガニズム協会代表理事。『HUG』編集長。新聞社と出版社で14年働いたのちフリーランス。
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